アクリル・PC(ポリカーボネート)・塩ビ・PETの違いとは?
7月に入り、いよいよ夏本番という季節になりました。
しばらく間が空いてしまいましたが、久しぶりのブログ投稿です。
今日は、誰もが日常の中で見かける「透明なプラスチック」の違いについて書きたいと思います。
透明なプラスチックには、アクリル、PC(ポリカーボネート)、塩ビ、PETなどがあります。
一見どれも似ているように見えますが、それぞれ特徴や用途が異なります。
では、透明なプラスチックを使用したい場合、どれを選べばいいのでしょうか。
まず、日常で見かける透明のプラスチックを思い浮かべてください。

・フィギュアを飾るコレクションケースやフォトフレーム、アクリルスタンドなど
これは、アクリルになります。
・ヘルメットのバイザーや、フェイスシールド、カーポートの屋根など
これは、PC(ポリカーボネート)になります。
・レジ前の飛沫防止シートや軟質の透明テーブルクロスカバー、ビニール傘、ビニールバッグなど
これは、塩ビになります。
・ペットボトル、卵のパック、総菜などの透明パック容器、使い捨ての透明コップなど
これは、PETになります。
※これらは、いずれも射出成形や押出成形などで大量生産されているものであり、
当社が行っている切削加工とは異なる製造方法です。
とはいえ、どんな場所で、どんな用途で使われているのかを知っておくことで、
各素材の特徴や性質をイメージしやすくなります。
透明プラスチックにもそれぞれ適材適所があることを、ぜひ知っていただければと思います。
下記の表は、特徴別に優れている順の比較の表です。
特徴 | 優れている順 | 備考 |
---|---|---|
透明度 | アクリル > PC > PET > 塩ビ | アクリルは最高の透明度・美観◎ |
耐衝撃性 | PC > PET > 塩ビ > アクリル | PCはアクリルの50倍以上の強度 |
耐候性 | アクリル > PC ≒ 塩ビ > PET | アクリルは屋外耐久性◎ PETはやや劣る |
難燃性 | 塩ビ > PC > PET > アクリル | 塩ビは自己消火性あり アクリルは燃えやすい |
加工のしやすさ | アクリル > 塩ビ > PC > PET | アクリル・塩ビは切削・接着がしやすい |
コスト(安価な順) | 塩ビ < PET < アクリル < PC | 塩ビが最も安価、PCは高価 |
耐熱性 | PC > アクリル > PET > 塩ビ | PCは高温でも変形しにくい 塩ビは弱い |
環境対応(リサイクル性) | PET > 塩ビ > アクリル > PC | PETはリサイクル体制が整っている |
まとめると、
●展示用・ディスプレイなら → 透明度重視の「アクリル」
●屋外で使うなら → 耐候性のある「アクリル」や「塩ビ」
●強度が必要な場所には → 割れにくい「PC」
●コストを抑えたいなら → 安価な「塩ビ」
このように考えていただければわかりやすいかと思います。
今回は、誰もが日常で目にする「透明なプラスチック」の違いについてご紹介しました。
なお、当社では主に汎用プラスチックやエンジニアリングプラスチックを用いた切削加工を行っております。
こうした透明樹脂の中には、切削加工に対応しているものも多くあります。
特に、アクリルやポリカーボネートはもちろん、
透明塩ビも用途によっては切削加工が可能です。
ご要望に応じた材料選定や加工のご相談にも対応しておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
少量(1個~)製作可能・短納期もご対応可能です。
主に産業機械部品(自動車・食品・半導体・電気機器)の部品を製作しております。
溶接、接着、曲げ、刻印もご対応可能です。
見積回答は通常当日または翌日に回答いたします。
材質選定の段階からご相談いただけますのでお気軽にお問い合わせください。